先週末をもちまして、京都府新鋭選抜展2019”Kyoto Art for Tomorrow”が無事終了致しました。会期中には多くの方にご来場いただきまして心より御礼申し上げます。
私は、本展覧会には今回で3回目の出品でしたが、今回も他の作家さん達の作品から多くの刺激を貰うことができました。今年は立体系の作家の作品が多く、素材やサイズなどバラエティに富んだ展覧会になっていたと思います。様々な参加規約があり、私は今後数年間は新鋭選抜展には参加することはないのですが、また機会があればやりたいと思います。
また、この作品について展示の際に簡単なステートメントを用意していたので、ここにも載せておきます。
"縄文時代に作られた人型の土偶にインスピレーションを受けてこの作品を制作した。今から4000年ほど前に作られたとされる仮面をつけた女性の土偶で、手足は短略化されトルソの形で表されている。妊娠したように膨らむお腹やおへそ、細かく作り込まれた女性器の表現がこの土偶が子孫繁栄を祈って作られたことを示している。
プリミティブな造形の中に、縄文人の純粋無垢な精神世界を感じ取る一方で、現代人の私は、その土偶の中に現代的なエロスやフェティッシュな感覚を覚えた。仮面はSMで用いられるラテックス製の覆面を連想させ、安産祈願を示す大きなお尻は過剰に誇張されたセックスシンボルのお尻を思わせた。縄文人が造形に込めた平穏への祈りと、私がその造形から感じたエロス的な感覚の間に、時代性のもつ感性の相違点があると気づいた。その相違点を拡大し、明確な形を持った彫刻作品として提示することで現代の中でのエロスやフェティッシュの姿を改めて見つめる機会としたかった。エロスやフェティッシュから想起される熱狂や憧憬あるいは恥じらいや背徳感を作品の中から感じ取ってほしい”
以上です、ありがとうございました。
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